LocalHistogramEqualization (LHE)
LocalHistogramEqualization(LHE)は、各画素の周囲にある明るさの分布を広げる。すぐ隣とわずかにしか違わない構造が、画像全体では同じ中間調にあっても浮かび上がる。
目的
| 用途 | 設定 |
|---|---|
| 大きな形や縁を強調する | 大きなカーネル |
| 形の中の微細構造を強調する | 小さなカーネル |
| 両方 | 2 回に分け、先に大きく、次に小さく |
原理
なぜカーブではなく LHE を使うのか
カーブは画像全体に効く。値が同じ画素は、位置に関係なく同じように変わる。LHE は局所的に効く。画素ごとに周囲(カーネル)を見て、そこでの明るさの分布を広げる。星雲のフィラメント、ベール、暗黒星雲は周囲との差がわずかなことが多く、まさに LHE が得意とする対象である。
カーネルの大きさで、強調される構造の大きさが決まる。構造よりずっと大きなカーネルは、構造そのものではなく、その周囲を強調してしまう。
パラメーター
| パラメーター | 効果 | 一般的な範囲 |
|---|---|---|
| Kernel Radius | 参照する周囲の大きさ。強調される構造の大きさを決める | 大:全体の形、小:微細部 |
| Contrast Limit | コントラストの上げ幅を制限する。制限しないと均一な領域でノイズが大きく強調される | 1.5〜2.0 |
| Amount | 元画像との混合率。1.0 はたいてい強すぎる | 0.1〜0.4 |
| Histogram Resolution | 局所ヒストグラムの段階数(8 ビット = 256、10 ビット = 1,024、12 ビット = 4,096)。内部計算のみで、画像は 32 ビットのまま | 8 ビット |
| Circular Kernel | 全方向を均等に重み付けする。四角いカーネルは斜め方向に偏り、ブロック状の模様が出ることがある | 有効 |
操作
- 恒星を除去した画像か輝度画像に適用する。恒星があるとハローや縁取りが出る。
- Real-Time Preview を使い、1:1 で効果を確かめる。
- Histogram Resolution を 10 ビットや 12 ビットに上げるのは、なめらかな部分に段差や縞が出たときだけ。処理は目に見えて遅くなり、カーネルが大きいとなおさらである。
- LHE はノイズも目立たせるので、ノイズ除去は LHE の後に行う。
代表的な使い方
2 回に分ける
なぜ2 回に分けるのか
大きなカーネルは形全体を、小さなカーネルはその中の微細構造を強調する。中くらいのカーネル 1 回では、どちらも中途半端になる。
| 回 | Kernel Radius | Contrast Limit | Amount | 強調するもの |
|---|---|---|---|---|
| 1 広域 | 64〜128 | 1.5〜2.0 | 0.2〜0.4 | 星雲の大きな形、フィラメント、縁 |
| 2 微細 | 16〜32 | 1.5 | 0.1〜0.2 | 形の中の微細構造 |
細いフィラメント
細く繊維状の構造(はくちょう座の網状星雲のような超新星残骸など)では、カーネルを小さくする。1 回目は 48〜64、2 回目は 12〜24。大きなカーネルでは、繊維そのものではなく、その周囲が強調されてしまう。
よい結果の見分け方
よくある失敗
| 症状 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 効果が弱すぎる | Amount が低い | Amount を 0.05 ずつ上げる |
| 縁に縁取り、硬い印象 | Amount または Contrast Limit が高すぎる | Amount か Contrast Limit を下げる |
| 背景のノイズが強まった | Contrast Limit が高い | Contrast Limit を下げ、その後 AI によるノイズ除去。細かいノイズと大きなノイズ、輝度と色で強さを分けられる。強い 1 回より、軽い数回のほうが細部が残る。 基礎を開く → |
| なめらかな部分に段差や縞 | ヒストグラムが粗い | Histogram Resolution を 10 または 12 ビットに |
| ブロック状の模様 | 四角いカーネル | Circular Kernel を有効に |
| 恒星の周りにハロー | 恒星のある画像に適用した | 恒星を除去した画像に適用する |
向いている場面・向いていない場面
| 向いている | 別のツールがよい |
|---|---|
| 星雲構造の局所的なコントラストを強める | 全体のコントラストを整える → 自由に形を変えられるカーブで階調を割り当て直す。コントラスト、彩度、色相、特定の階調域の調整に使う。効果は画像全体に及び、局所的に効かせるにはマスクが必要。 基礎を開く → |
| 輝度画像の微細構造を引き出す | 背景より上の構造だけを持ち上げる → 自由に形を変えられるカーブで階調を割り当て直す。コントラスト、彩度、色相、特定の階調域の調整に使う。効果は画像全体に及び、局所的に効かせるにはマスクが必要。 基礎を開く → |
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