輝度画像とカラー画像を合わせる
別の輝度画像をカラー画像と合成する前に、両者の明るさを合わせておく必要がある。この手順では決まった場所で測り、ずれのパターンを読み取り、輝度画像をカーブで合わせる。
目的
| 用途 | 方法 |
|---|---|
| 輝度画像とカラー画像が合っているか確かめる | プレビューで測る |
| ずれを狙って直す | 測定値からカーブを作る |
| 残った差を調整する | カラー画像の明るさを別の輝度画像で置き換える。構造とシャープさは輝度画像から、色はカラー画像から得る。 基礎を開く → の Lightness と Saturation |
原理
なぜ比べるのか
LRGBCombination はカラー画像の L* を輝度画像で置き換え、a* と b* は残す。ある場所で輝度画像がカラー画像の L* より明るければ、そこは色情報が同じまま明るくなり、色あせて見える。暗ければ彩度過多で暗く見える。両者の明るさが合って初めて、バランスのとれた画像になる。
目標は、背景・淡い構造・明るい部分が両方の画像で同じような関係にあること。合わせるのは輝度画像で、カラー画像ではない。
なぜカラー画像ではなく輝度画像を合わせるのか
カラー画像は色の調整(ホワイトバランス、背景)が済んでいる。そこにカーブをかけると彩度やカラーバランスまで変わる。輝度画像はモノクロなので、カーブは明るさだけを変える。
操作
カラー画像の輝度を取り出す
なぜカラー画像で直接測らないのか
カラー画像での Readout は、各チャンネルの値かその中央値を返す。赤い星雲では R が高く G と B が低いので、中央値は G か B に近くなり、明るさを過小評価する。比べられるのは L* だけである。合成で置き換えられるのがまさにそれだからである。
- カラー画像に ChannelExtraction。
- Color space CIE L*a*b*、L だけを有効にする。
- 適用する → グレースケール画像(例
ColourImage_L)ができる。
測定点を決める
マウスのクリックによる測定は再現しにくい。プレビューなら座標が正確で、もう一方の画像へ移せ、プロジェクトに保存され、変更のたびに測り直せる。
- 輝度画像に小さなプレビュー(例 20×20 px)を 3 つ作る。Alt+N、または Preview → New Preview… で座標を指定する。
- 名前を変える(プレビューのタブをダブルクリック)。
| プレビュー | 位置 |
|---|---|
Dark | 恒星のない背景 |
Mid | 淡い構造(星雲の外縁など) |
Bright | 対象の明るい部分 |
| 任意で追加 | 2 つ目の構造色の範囲(例 OIII) |
- プレビューのタブを、もう一方の画像ウィンドウのタブバーへドラッグする → 同じ位置と大きさのプレビューができる。両方の画像の寸法が同じである必要がある。
恒星や恒星の残りの上には置かない。値が狂う。
測る
- 推奨:Statistics:処理を開き、上でプレビューを選んで中央値を読む。範囲の中央値は 1 点の値より安定している。
- 代わりに Readout:Edit → Readout Options で Probe size 9×9 または 15×15、Mean か Median、Apply Global。両方の画像の同じ座標で測る。
| 測定点 | 輝度画像 | ColourImage_L | 差 |
|---|---|---|---|
| Dark | |||
| Mid | |||
| Bright |
代表的な使い方
パターンを読む
| パターン | 意味 | 輝度画像の補正 |
|---|---|---|
| すべての値が近い(0.01 単位の差) | 合っている | なし |
| Mid だけがずれる | 中間調が違う | カーブ:Dark と Bright を固定し、Mid を動かす |
| Dark と Mid が高く、Bright が低い | 輝度画像のコントラストが低い | ゆるやかな S 字カーブ |
| Dark と Mid が低く、Bright が高い | 輝度画像のコントラストが高い | 逆 S 字カーブ |
| Dark だけが大きくずれる | 背景が違う | ブラックポイント、またはカーブの点 |
| すべてが一様に高い・低い | 全体の明るさが違う | カーブ、または LRGBCombination の Lightness |
| 1 つの構造色だけがずれる | 合成輝度にその構造が弱すぎる・強すぎる | 合成輝度の重み付けを見直す |
カーブで合わせる
各測定値を 自由に形を変えられるカーブで階調を割り当て直す。コントラスト、彩度、色相、特定の階調域の調整に使う。効果は画像全体に及び、局所的に効かせるにはマスクが必要。 基礎を開く → のカーブの点にする:Input = 輝度画像の値、Output = ColourImage_L の値。先にマスクを外し、カーブをリセットし、チャンネルは RGB/K にする。
| 目的 | Dark | Mid | Bright |
|---|---|---|---|
| 中間調だけ | Output = Input | 目標値 | Output = Input |
| コントラストを合わせる | 目標値 | 目標値 | 目標値 |
追加の信号がある場合の妥協
輝度画像に追加の信号(合成輝度や HaL 輝度に含まれる Ha など)があれば、淡い構造は意図的に明るくなっている。その場合 Mid の点を目標値まで完全には下げず、輝度画像の値と目標値の間に置く。追加された細部の一部が残り、その部分の色も大きく色あせない。
例
例(HaLRGB): ストレッチ後の比較。
| 測定点 | 輝度画像 | ColourImage_L |
|---|---|---|
| Dark | 0.127 | 0.13 |
| Mid | 0.25 | 0.18 |
| Bright | 0.658 | 0.67 |
パターン「Mid だけがずれる」(輝度画像の Ha 信号)→ 中間調だけを妥協つきで:Dark 0.13 → 0.13、Mid 0.25 → 0.21、Bright 0.66 → 0.66。
同じデータの合成直前、恒星除去画像の処理後:Dark 0.14 / 0.10、Mid 0.26 / 0.20、Bright 0.61 / 0.64。パターン「コントラストが低い」→ ゆるやかな S 字カーブ:0.14 → 0.105、0.26 → 0.21、0.61 → 0.63。
よい結果の見分け方
よくある失敗
| 症状 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 測定値がばらつく | クリックで測った、測定範囲に恒星がある | プレビューと Statistics(中央値) |
| コントラストを合わせたいのにカーブが全体に対角線の上または下にある | 入力ミス(Output の打ち間違いなど) | 数値を確認する |
| カーブの後に暗黒星雲が真っ黒 | Dark の点を下げすぎた | 下げ幅を小さく |
| 合成後に Ha の細部が失われた | Mid の点を目標値まで完全に下げた | 輝度画像の値と目標値の間で妥協する |
| 合成後に構造が弱い | その構造に測定点がない | 測定点を追加、カラー画像の明るさを別の輝度画像で置き換える。構造とシャープさは輝度画像から、色はカラー画像から得る。 基礎を開く → |
| プレビューを移せない | 画像の大きさが違う | 寸法を揃える |
向いている場面・向いていない場面
| 向いている | 別のツールがよい |
|---|---|
| 別の輝度画像とカラー画像を合成するたびに(LRGB、HaLRGB、合成輝度) | 別の輝度画像のないカラー画像 → 合わせ込みは不要 |
| どちらかの画像をその後変えたら、もう一度(カーブ、彩度、LHE) | 合わせ込み後に残った差 → カラー画像の明るさを別の輝度画像で置き換える。構造とシャープさは輝度画像から、色はカラー画像から得る。 基礎を開く → |
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