NoiseXTerminator (NXT)
NoiseXTerminator(NXT)はノイズを取り除き、必要に応じて細かいノイズと大きなノイズ、輝度ノイズとカラーノイズを分けて扱う。既定値は天体写真にはたいてい強すぎる。
目的
| 用途 | 設定 |
|---|---|
| 構造を残しながら粒状感を減らす | HF Intensity を高め、LF Intensity は低く |
| 背景の色むらを取る | LF Color を高く |
| 細かい色の斑点を取る | HF Color を高く |
原理
- リニア画像ではノイズが均一に分布し、信号と分けやすい。ストレッチ後は、暗部でノイズが不釣り合いに強まる。
- 適した段階で軽く数回かけるほうが、強く 1 回かけるより細部が残る。
- **細かいノイズ(HF)**は 1〜3 画素の粒状や斑点。**大きなノイズ(LF)**は数十画素にわたる明るさや色のゆらぎで、淡く広がる星雲成分もここにある。
- 星雲の構造は主に輝度にあり、色にはあまりない。そのため、カラーノイズは輝度ノイズより強く取り除ける。
パラメーター
| 項目 | 効果 | 既定値 |
|---|---|---|
| Intensity/Color Separation | 輝度ノイズとカラーノイズで強さを分ける。カラー画像のみ | オフ |
| Frequency Separation | HF と LF で強さを分ける | オフ |
| Denoise HF Intensity | 細かい輝度の粒状 | 0.90 |
| Denoise HF Color | 細かい色の斑点 | 0.90 |
| Denoise LF Intensity | 大きな輝度のゆらぎ。低く保つ。高いと淡い星雲成分が平らになる | 0.90 |
| Denoise LF Color | 大きな色むら。強めにしてよい | 0.90 |
| HF/LF Scale (pixels) | HF と LF の境目 | 5.0 |
| Iterations | 処理の回数 | 2 |
2 つの分離は同時に有効にできる。モノクロ画像では Color の項目は効かない。
操作
- 淡い構造とそれに接する背景を含む範囲にプレビューを置く。
- プレビューに NXT をかけ、元画像と比べる(同じ STF で)。
- 項目を 0.1 刻みで調整し、画像全体に適用する。
- 1:1 で判断する。2:1 ではノイズが完成画像よりかなり強く見える。
代表的な設定
リニア・モノクロ
Frequency Separation を有効にする。
| 画像 | HF Intensity | LF Intensity |
|---|---|---|
| 輝度、強いチャンネル(Ha など) | 0.4〜0.7 | 0.2〜0.4 |
| 弱いチャンネル(OIII など) | 0.6〜0.8 | 0.3〜0.4 |
ノイズが少なければ、Frequency Separation を使わず 0.4〜0.5 の 1 つの値でもよい。
リニア・カラー画像
両方の分離を有効にする。OSC のデータは、各色の値が周囲の画素から補間されるため、モノクロのデータよりカラーノイズが多い。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| HF Intensity / Color | 0.5〜0.6 / 0.8〜0.9 |
| LF Intensity / Color | 0.3〜0.4 / 0.6〜0.8 |
非線形・LRGB 合成前のカラー画像
カラーノイズを重点に:LRGBCombination では輝度画像がカラー画像の明るさを置き換えるので、カラー画像の輝度ノイズは覆い隠され、カラーノイズだけが見える。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| HF Intensity / Color | 0.3〜0.4 / 0.6〜0.8 |
| LF Intensity / Color | 0.2〜0.3 / 0.5〜0.7 |
| HF/LF Scale | 5(中くらいの色むらが残るなら 8〜10、微細構造が柔らかくなりすぎるなら 3) |
非線形・輝度画像
軽く:HF Intensity 0.2〜0.3、LF Intensity 0.1〜0.2。輝度画像が完成画像の構造を担うので、どんな平滑化もそのまま見えてしまう。
仕上げ
必要なら、完成画像に最後のごく軽い処理を 1 回。1:1 でまだノイズが気になる場合だけ。
よい結果の見分け方
よくある失敗
| 症状 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 構造が柔らかく、暗黒星雲が平らで輪郭がない | LF Intensity が高すぎる | LF Intensity を下げる |
| 細い繊維が消えた | HF Intensity が高すぎる | HF Intensity を下げる |
| 色むらが残る | LF Color が低い、または HF/LF Scale が小さい | LF Color を上げ、HF/LF Scale を 8〜10 に |
| ろう細工のような不自然な印象 | 1 回が強すぎる | 軽く数回に分ける |
| ストレッチ後にノイズがまた見える | リニア段階で控えめすぎた、または弱いチャンネルを強くストレッチした | ストレッチ後にもう 1 回軽く |
| Color の項目が効かない | モノクロ画像 | 想定どおり |
向いている場面・向いていない場面
| 向いている | 別のツールがよい |
|---|---|
| デコンボリューション後のリニア画像のノイズ | シャープ化、恒星を小さくする → リニアデータのための AI によるデコンボリューション。恒星の形を直し、恒星を小さくし、星雲の構造をシャープにする。 基礎を開く →(NXT の前に) |
| LRGB 合成前のカラー画像のカラーノイズ | 色かぶり、緑の色むら → ある色(たいていは緑)の過剰分を、そのチャンネルを他の 2 チャンネルの水準に抑えて取り除く。色の誤りの補正にも、意図的な色づくりにも使う。 基礎を開く → |
| 局所コントラスト調整後の軽い処理 | 合成時にカラーノイズを処理 → LRGBCombination の Chrominance Noise Reduction |
BlurXTerminator (BXT) · HaLRGB のワークフロー · LocalHistogramEqualization (LHE) · LRGBCombination · クアッドバンドフィルターを使った OSC のワークフロー · ナローバンドのワークフロー(HOO/SHO)