SCNR
SCNR(Subtractive Chromatic Noise Reduction)は、1 つの色チャンネル(たいていは緑)を他の 2 チャンネルの水準に抑える。緑がかった色の誤りを補正できるが、対象が本当に緑の成分を持つ場合は、本物の信号まで変えてしまう。
目的
| 用途 | 使い方 |
|---|---|
| 背景の緑がかった色の誤りを取る | 緑、Average Neutral、必要ならマスクと併用 |
| 緑がかった恒星を補正する | 恒星だけの画像で |
| SHO パレットをつくる | 緑を取り除き、金色と青を引き出す |
| マゼンタの縁取りを取る | 反転した画像で |
原理
SCNR は、選んだ色の割合が保護の限界値を超える画素だけを変える。それ以外の画素は変わらない。
| Protection method | 緑の限界値 |
|---|---|
| Average Neutral | R と B の平均 |
| Maximum Neutral | R と B の大きいほう。効果が強い |
パラメーター
| パラメーター | 効果 | 一般的な選び方 |
|---|---|---|
| Color to remove | 抑える色 | Green |
| Protection method | 保護の限界値(上記) | Average Neutral |
| Amount | 強さ | 用途に応じて 0.3〜1.0 |
操作
- 画像を選び、パラメーターを設定して適用する。
- 影響のある場所で、Ctrl+Z / Ctrl+Y で前後を比べる(1:1 か 2:1)。
- 緑がかった画素で Readout:SCNR 後の G が保護の限界値の水準以下であること。
代表的な使い方
背景の緑かぶり
- 緑の成分を持たない対象(純粋な Ha 星雲など):画像全体に Amount 0.5〜0.8。コントラストや彩度を上げる前に行う。後からだと緑がかった色むらがはっきり目立つ。黄色っぽい部分(赤と緑が多い)がオレンジに転ばないか確認し、転ぶなら Amount 0.5〜0.7。
- OIII を含む対象: 背景に本当に緑かぶりがあるときだけ、Amount 0.3〜0.5 で、星雲を守る 明るさの範囲(たとえば「背景より明るいところすべて」)からマスクを作り、次の処理をその範囲だけに効かせる。 基礎を開く → と併用する。OIII の部分で前後を比べ、青緑が保たれていること。
恒星だけの画像
緑がかった恒星は色の誤り(チャンネルのずれ、ノイズ、ベイヤー補間)である。自然な恒星が緑に見えることはまずない。恒星だけの画像には本物の緑を持つ星雲が含まれないので、SCNR は問題なく使える。Amount 0.5〜0.8、緑かぶりが残るなら 1.0。
SHO パレットをつくる
SHO 画像では、最も強い信号(Ha)が緑チャンネルにある。SCNR で緑の過剰分を取ると、SII(赤)のある部分は黄色〜金色に、OIII(青)のある部分はシアン〜青になる。典型的な金と青のパレットは、彩度ではなく緑を取ることで生まれる。
- Amount 1.0:典型的な金と青、緑はほとんど残らない。
- Amount 0.5〜0.7:緑がいくらか残り、移り変わりが自然になる。
- 1.0 で 1 回より、Amount を小さくして数回のほうが制御しやすい。Maximum Neutral のほうが効果が強い。
マゼンタを取る
マゼンタは直接選べない。画像を反転するとマゼンタは緑になる。
- Image → Invert。
- SCNR(Green)、Amount 0.5〜1.0。
- もう一度 Image → Invert。
例: SHO 画像の恒星のマゼンタの縁取り。恒星は広帯域で光るため、Ha(緑)より SII(赤)と OIII(青)で強く写る。
よい結果の見分け方
よくある失敗
| 症状 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| OIII の部分が青緑ではなく青やグレーになった | 星雲に SCNR をかけた | 恒星だけの画像か、マスクで背景だけにかける |
| 黄色っぽい部分がオレンジに転ぶ | Amount が高すぎる | Amount 0.5〜0.7 |
| 恒星が緑がかったまま | Amount が低い、またはウィンドウを間違えた | Amount 1.0、対象画像を確認 |
| SCNR 後の SHO 画像が平板 | 彩度をまだ上げていない | その後 自由に形を変えられるカーブで階調を割り当て直す。コントラスト、彩度、色相、特定の階調域の調整に使う。効果は画像全体に及び、局所的に効かせるにはマスクが必要。 基礎を開く → で彩度を上げる |
向いている場面・向いていない場面
| 向いている | 別のツールがよい |
|---|---|
| 本物の緑の信号がない緑かぶり | 全体のカラーバランス → 何千もの恒星を Gaia のスペクトルと比べて、広帯域・OSC 画像の色を較正する。客観的で再現可能。背景のニュートラル化も含む。 基礎を開く → または BackgroundNeutralization |
| SHO 画像の金と青のパレット | 色相の微調整 → 自由に形を変えられるカーブで階調を割り当て直す。コントラスト、彩度、色相、特定の階調域の調整に使う。効果は画像全体に及び、局所的に効かせるにはマスクが必要。 基礎を開く → |
| 反転によるマゼンタの縁取りの除去 |
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